製造業の民主化は製造業を滅ぼすのか


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前回の記事で書いた『新しい「ものづくり」の動き』、メイカームーブメントについてお話したいと思います。

今回お伝えしたいことは二つです。

メイカームーブメントはこれから起きるのではなく、今まさにこの時、世界中で巻き起こっている流れだということです。
そして、メーカーズムーブメントは製造業を活性化させ加速させるということです。

また、最後に私が想像する製造業の未来の形を一つお話したいと思います。

今起きているメイカームーブメントとは何か

第三の産業革命とも呼ばれるメイカームーブメント。この背景にはインターネットの普及と、3Dプリンターや3Dスキャナー、レーザー加工機などといった製造に必要な機械が安価になり、個人で手に入れられるようになったことがあります。これらがもたらしたのは、個人が自分で好きな物を作れるようになったことです。そして、それを製造から販売までインターネットを通して個人でも行えるようになったことです。

誰でも製品を作ることができ、製造から販売まで行えることが「製造業の民主化」と呼ばれています。

 

製造業の民主化は製造業を滅ぼすのか

自分で好きな物を作れると言いましたが、家庭用の3Dプリンターで作れるのは、せいぜいモックアップや試作品です。市販されている製品には遠く及ばない品質の物しか作れません。今、3Dプリンター銃が話題になっていますが、あんな物を素人が作ったら、暴発して手をなくす結果しか私には視えません。今の過剰な話題性は幻想といってもよいでしょう。それでも、一部の人たちにとっては、十分に夢の機械であることは間違いありませんが。

3Dプリンターで既存の製品をコピーされて、製造業は壊滅するなどと唱えている人もいますが、そんな事が起こりえないことは一目瞭然です。

大事なことは、モックアップや試作品を自分で作れることです。試作品といっても、実際に動作して、使えるものができます。今までならこうした物を作るには、多大なコストがかかっていました。それが家にいながらにしてできてしまうというところが革命の所以なのです。
自分で簡単(今までに比べればであって、とても簡単などとは言いえないのが現状です)に作れるということは、何度でも作り直せます。自分で使うだけなら十分な製品を作ることはできます。数十個だけ作って、手作り品としてインターネットで販売することぐらいならできるでしょう。これは非常に大事なことです。
工場で大量に生産して市場に流さなくても、その製品に魅力があるか判断することができるのです。製品を作る上でのリスクが非常に少なくなったのです。売れるか分からない商品に、借金して膨大な投資をする必要がなくなったことで、気軽に作りたい物を作ることができます。さらに、クラウドファンディングというサービスを利用する事で、製品の魅力を測ると同時に、量産するための資金を得る仕組みまでできあがっています。

様々な技術の進歩と、時代の移り変わりによって、製品作りへの障壁が下がりました。製造業、正確にはオリジナルの製品を作るメーカーへの参入が容易になったのです。

新規のメーカーが増えたら、既存の製造業という業界全体が滅ぶ。そんなわけはありませんね。むしろ製造業は活性化され、加速します。

 

今起きている流れ

すでにこの流れの中たくさんの製品が世界に発信されています。
まだまだ日本でこういった情報は一般的ではないかもしれません。それでも、少しずつですがメイカームーブメントの情報を発信する日本のサイトも増えてきています。

一つだけですが、私が普段チェックしている。オススメのサイトです。海外で話題になっている製品が多く紹介されています。このサイトをチェックするだけでも、どういう動きが起きているのか身近に感じられると思います。

DMM.make: https://media.dmm-make.com/

 

製造業の未来

メイカームーブメントは誰でも製造業に参入できるようになる大きな流れです。そう、誰でもです。
私のようなITな人間でも、大企業の下請けで部品を作っている町工場でも、製品を作ることができるようになります。そして、製品を作るには部品の製造や組み立てといった工場への発注が必要です。大量生産の場合多くは中国や東南アジアの安い工場へ仕事は流れるでしょう。しかし、少量生産では値段よりもコミュニケーションコスト、そして早さや柔軟さ、品質が求められると思います。つまり、日本で小さな製品がたくさん生まれれば、その製造過程で国内の工場への需要が高まります。こういった少量生産の需要に応えられる柔軟な工場が増えることが、日本のものづくり復興の鍵になると私は考えています。

今のメイカームーブメントは、製造業でない人たちが大勢製造業に参入してきています。ものをつくるという技術にかけては、デジタルの世界にいるIT業界の人間よりも、製造業、加工業に携わる方たちの方がずっと長けているのは間違いないですよね。ものづくりの世界に長くいる人たちが、インターネットやコンピュータといった最新の情報と技術を取り込むことで、新たに参入してくる人たちに負けないものをつくることは、全然難しいことではないと思います。

それに、メイカームーブメントから生まれる製品は何もITに限ったことではありません。日常のちょっとした不便を解消するアイデアからも生まれます。ごく少数の愛好者しかいない、大企業が目すら向けないニッチな市場もチャンスになります。ITが解らなくてもメイカームーブメントに乗ることはできるのです。
とはいえ、情報はやはりインターネットを通して流れてきます。少しずつでもDMM.makeのような情報サイトに目を通す事が大事だと思います。willの中でもメイカーズのコミュニティが動き出しています。他にもコミュニティはたくさんありますので、是非こういったコミュニティへ参加することから始めてみてはいかがでしょう。

 

 

最後に

ここでのお話は、メイカームーブメントの一つの側面です。もっと詳しく知りたいかたは、クリス・アンダーソン著「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる」をぜひ読んで下さい。2年近く前の本ですが、今確実に、このMEKERSに書かれた未来が近づいてきているのが実感できます。

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる (クリス・アンダーソン)
http://www.amazon.co.jp/dp/4140815760

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